蠢く死者と造られしもの
恐れも理性も持たぬ躯。迫り来る彼らが立ち止まることはない。
オートマテ
廃墟となった天守を巡回する、歯車仕掛けの守護者。 強化装甲の奥で真鍮の歯車がきしみ、生ある魂を見境なく重い腕の一撃と回転連撃で襲う。恐れも慈悲も知らず、鋼で車体が割かれようとも機械的な執念で前進を続ける。忘れられた宝物庫や崩落した回廊で見つかる個体は、どれほどの年月が過ぎようと決められた巡回路を歩み続ける。この残骸を回収するヴァルデルによれば、破壊されたオートマテであっても、動きを感知すればなお人の手を握り潰そうとするという。
バロウミイラ
墳丘墓から這い出た、埋葬布を纏う死者。 経年で茶色く変色した亜麻布が、古革のように硬く干からびた肉体を締め上げ、あるはずの瞳の場所には鈍い光が宿る。バロウミイラの足取りは緩慢だが、その手の一撃は恐ろしいほど重く、何もないように見えた塚の土からも這い上がってくる。振り回し、掴みかかり、両拳を叩きつけ、猛ると憤怒に任せて大地を打つ。纏う布は塚ごとに淡く、暗く、あるいは染みつき、埋葬した部族ごとに死者の縛り方が異なる。炎が最もよく効く。刃物では動きを鈍らせることしかできない。
別種:青白いバロウミイラ、黒ずんだバロウミイラ。
キャリオンクローラー
森やツンドラを彷徨う、蛆の湧くアンデッド。 湿り気を帯びた蒼白い肉体が、日没後の湿地や凍土を這いずり回る。自らの身を守る本能など皆無であり、四肢がもげ骨が砕けようとも、盲目的な執念で生きた獲物を追う。痛みも退却も意に介さぬ飢餓に駆られ、牙と爪で低く切り込んでくる。荒野に宿営する者は、這い寄る死者が夜間にロープの防壁を越えて侵入するのを防ぐため、境界の杭に鉄の刺を打ち込んで補強する。
這い回るグール
泥濘や森を引きずって進む、脚を失った死骸。 剥き出しの脊椎を霜や泥に擦りつけながら、日没とともに這い出てくる。湿った森林や凍てつくツンドラに現れ、あらゆる生者に迫らんと、鉤爪の手で胴体を引きずりながら盲目的な執念で前進する。傷を負わせても退くことはない。下半身を失ったグールであっても、心なき躯が完全に打ち砕かれるまで飛びかかり、噛みつき続ける。この地の村人たちは、這い寄る死骸に獲物を闇へと引きずり込まれぬよう、家畜を石造りの囲いに収めている。
闇のウォーロード
墓所の奥底を彷徨う、フレイルを携えたアンデッド。 プレートアーマーの下で、錆びた鎖帷子が干からびた肉を辛うじて繋ぎ止めている。重いフレイルと盾を携え、機械的かつ容赦のない拍子で深き地下墓地を巡回する。休戦を受け入れず、痛みも感じない。ウォーロードは肋骨を砕かれ四肢を切断されようとも、鎖の連撃を繰り出し続ける。決して退却しないため、墓荒らしはその前進を阻めず、奥の壁に追い詰められて命を落とすことが多い。先祖がこの玄室を守護している家系は、封印を保つために番人に報酬を支払っている。
死の頭骨
退くことを知らぬ、有翼の骨霊。 墓や崩落した地下玄室から、骨の破片と革のような翼が立ち現れる。痛みや致命傷を意に介さぬ盲目的な飢えに駆られ、目にしたあらゆる生者へ飛びかかり噛みつく。粉々に砕かれようとも、その身を動かすものが尽きるまで前進をやめない。墓掘り人夫や墓荒らしは、浮遊する頭骨が逃走も交渉も決してしないことを知っており、玄室の敵を完全に掃討することを真っ先に叩き込まれる。
イビルウォッチャー
深き廃墟を彷徨う、多目の悪霊。 瓦礫の上を浮遊し、瞬きもせぬ無数の眼であらゆる角度の動きを追跡する。逃亡や自己防衛の本能を持たず、滅ぼされるまで鉤爪と猛毒の針で猛攻を仕掛け続ける。深層でこれと遭遇した狩人たちによれば、四肢を失い魔力が漏れ出そうとも退くことは決してないという。生あるものを躊躇なく追跡するため、廃墟近くの入植地では、監視者が敷居を越えた際に知らせる鉄の鐘が設置されている。
顔なき恐怖
森林や湿原に巣食う、理性を欠いたキメラの殺戮者。 夕闇が訪れると、蒼白い鉤爪でツンドラの苔や森の腐植土を掻き分ける。生きた肉を求めて夜にのみ姿を現し、頭突きと鋭い爪の連撃を繰り出す。恐れを知らず、いかなる傷でも止まらない。内臓をぶちまけられようと、心臓の鼓動が止まるまで飛びかかり続ける。ヴェルド神権国の自警団は、この執念深き怪物が家畜の囲いに達せぬよう、周囲に篝火を焚いて夜番を置いている。
ファンゴイド
深き廃墟に蠢く、杖を構えた菌類の殻。 頭部が胞子に塗れた傘に置き換わったこの奇怪な人型は、狂いのない精密さで木杖を振るう。崩落した地下室や、体液がモルタルに染み入る朽ちた玄室から姿を現す。生存本能など持ち合わせておらず、生き物の臭いを追って茨も炎もためらいなく突き進み、退却することはない。手足を切断され体を両断されようとも、すり潰されるまで突き刺し、跳びかかり続ける。農民たちはこのような増殖を防ぐため、毎年地下貯蔵庫を焼き払っている。
グール
湿地帯を徘徊する、病に冒された捕食者。 泥炭にまみれた鉤爪と壊疽の悪臭を放ち、夕闇のあとに湿地から這い出るアンデッドの腐肉食者。恐れも理性も持たず、腐った腱で手足が辛うじて繋がっている状態であっても、呼吸する者すべてに向かって躊躇なく前進する。泥濘を飛び越え、獲物の柔らかい胴体に牙を突き立てる。地元の住人は高床の歩道を築き、油を染み込ませた松明を灯し続けて、無心に這い登る怪異が寝所に達するのを防いでいる。
ジャイアントワーム
光なき深淵の、心なき巨獣。 岩肌をキチン質の節で削りながら、この巨大な環形動物は大顎を突き出し、呼吸するあらゆるものを串刺しにする。地表の遥か下、光届かぬ亀裂に潜み、逃亡や保身の本能は皆無である。鋼で肉を裂かれ体液を撒き散らそうとも、躊躇することなく前進し続ける。遭遇した鉱夫たちは、痛みを与えても退かぬこの獣を止めるため、坑道ごと崩落させることを余儀なくされる。
ゴーレム
石と氷で造られし、心なき巨像。 荒削りの花崗岩や凍てつく永久凍土から成る巨体を揺らし、昼夜を問わず砂漠やツンドラを徘徊する。流す血もなければ突くべき恐怖もなく、幅広の石の手を突き出して動くものすべてを押し潰す。痛みも負傷もその歩みを止めず、四肢を砕かれようとも瓦礫へと崩れ去るまで前進を続ける。ゴーレム工匠が永劫の歩哨として縛り付けたものであり、旅人は道を切り開くために重い鶴嘴で砕かなければならない。
別種:ロックゴーレム、アイスゴーレム、ラーヴァゴーレム。
ヘルロット
深き廃墟に巣食う、背の曲がったアンデッドの異形。 ぼろぼろの翼と曲がった背骨を特徴とし、瓦礫の散らばる大広間を這いずり回る。自衛や逃走の本能を持たず、骨を砕かれようとも生ある者の喉笛を爪で切り裂こうとし続ける。決して退却しないため、追い払うことはできず、破壊するほかない。村の自警団は、その悪臭が地下墓地からさらなる殺戮者を呼び寄せるのを防ぐため、死骸を即座に焼き払うことを学んでいる。
モーホラー
森や凍てつく荒野を裂く、肋骨の開いた屠殺者。 軟骨と剥き出しの骨が胴体で大きく裂け、第二の開いた口を形成している。夕暮れ後に現れて湿原やツンドラを狩り場とし、獲物を丸呑みにせんと胴体を突き出して突進してくる。恐れも保身も知らず、はらわたを抉られ動けなくなろうとも、心臓が止まるまで前進をやめない。狩人たちは間合いを詰められる前にこの怪異を阻むため、長い長槍を携えている。
ミイラ
安息なき墓所に佇む、干涸らびた躯。 樹脂と墓土で固められた亜麻布を纏い、深き廃墟を足元もおぼつかなく徘徊する。理性も恐れも持ち合わせず、灰に帰すまで刃や炎をものともせず突き進む。戦士を待つのは粉砕の拳と、獲物を拘束しつつ前進を続ける包帯の鞭打ちである。負傷しても決して退かないため、墓守は押し寄せる猛進に呑まれぬよう、常に堅固な壁を背にして隊列を組む。
ネクロマンサー
大鎌を手に死者を呼ぶ、フードの怪人。 粗衣とフードを纏い、肩に古い頭蓋骨を掲げたネクロマンサーは、蘇った死者の番人としてその間を歩む。手から墓場の冷気弾を放ち、従僕が戦っている最中にも砕けた骨を繋ぎ合わせ、肉薄する者がいれば携えた長大な鎌で刈り取る。フードの下には青白い死人の顔を覗かせる者もいれば、金箔の飾られた兜、あるいは冷たい単眼が光る鋼の面頬を佩く者もいるが、いずれも同じ忌まわしき業を振るう。まずは周囲のスケルトンを崩し、再び修復される前に間合いを詰めよ。
別種:金箔のネクロマンサー、面頬のネクロマンサー。
プレイグクローラー
泥濘と森に潜む、病に蝕まれた夜の住人。 日没後、腐肉が関節から剥がれ落ちたキメラの残骸が湿地やツンドラから這い出る。自己防衛の本能を持たず、体を切り裂かれようとも低い爪撃や顔面への突き出しで前進を続ける。村の自警団は、森の土に肉汁が染み込んで這い寄る死者の群れとして蘇るのを恐れ、感染した死骸を埋葬せず塩とピッチで焼き払う。
リーパー
見捨てられた地に大鎌を携えて浮かぶ霊。 蒼白い指先が湾曲した刃を握り、肉も鎖帷子も等しく容易に切り裂く。墓地や崩落した聖域の上空を漂い、痛みも退却も知らぬ飢えに駆り立てられている。言葉で動じることも、傷を負って引くこともない。自らの四肢が削がれようとも前進し、頭上からの斬撃となぎ払いを繰り出す。遭遇した兵士たちは陣形を組んで戦う術を学ぶ。一人でも遅れを取れば、決して疲れを知らぬ刃の標的となるからだ。
スケルトンアックスマン
髭斧を振るう、剥き出しのあばら骨の死者。 胸当ては朽ち果ててあばら骨の檻を晒しているが、携える斧は今なお鋭い。アックスマンは生者に向かって真っ直ぐに歩み寄り、一歩も退かない。構えを崩す素早い打ち込み、頭上からの両断、そして初動の二撃を上回る速さの三連撃。古き兵士たちは、塚の王たちがアックスマンを直立させて埋葬したのは、地中から真っ先に出現させるためだったと語る。髭刃との間に己の得物の柄を挟み込み、甲冑の届かぬ膝を狙え。
スケルトンブレードマン
両手に刃を握り戦う、フードを被った死者。 朽ちたフードと鋲付きの革鎧を身に纏い、二本の小剣を抜いたまま決して鞘に収めることはない。高く斬り上げ、低くなぎ払い、腹を突いたかと思えば、反撃の隙を与えぬ怒涛の連撃へと繋げてくる。何も感じないため傷を負わせても僅かに鈍るのみで、すぐに間合いへと踏み込んでくる。塚の監視者によれば、フードの死者はかつて忠誠を誓った剣士であり、指揮官の手で武装したまま埋葬されたのだという。掲げた盾で初撃を逸らせ。命を奪うのは二本目の刃だ。
スケルトンチャンピオン
長大なグレイブを操る、戦利品を背負いし死せる主。 生前に討ち取った者の黄ばんだ頭蓋骨を背に負い、その手には長大なグレイブが握られている。下級の死者たちが進軍する前線を支え、人を薙ぎ倒すほどの大振りを見せ、間合いを詰められれば柄で突きを入れる。刃を三度旋回させれば、その間合いの内側で安全な場所はどこにもない。塚の古歌は、彼らを死後も主の墓を守護すると誓った隊長たちだと謳う。一気に距離を詰めるか、さもなくばグレイブの届かぬ遥か遠くに身を置け。
スケルトンクロスボウマン
闇の中から矢を放つ、フードを被った死者。 剣士と同じくフードを被り、同じ鋲付きの革鎧を身につけた石弓兵は、間合いを保ちながら死者特有の忍耐強さで重石弓のレバーを操作する。突進してくる相手から距離を取り、さらなる矢を放ち、追い詰められた時のみ銃床で殴りつけてくる。腰の矢筒には替えの矢が収まり、尽きる様子はない。塚の地の哨兵たちは、発射の前に鳴る巻き上げ機の軋みを聞き分ける術を身につけている。遮蔽物を利用して近づき、装填の隙に最後の距離を詰めよ。
スケルトンドレッドナイト
両手持ちの大剣を振るう、刺付き甲冑の死者。 刺の突き出た黒鉄の板金鎧が、嘲笑う頭蓋骨以外の骨を覆い隠し、振るう大剣は人の背丈よりも長い。旋回は鈍いが疲れを知らず、低い斬撃から両断へと跳ね上げ、足首を払い、頭上から振り下ろす一撃は盾持ちを地面に叩き伏せるほど重い。墓守によれば、一体のドレッドナイトが一個中隊を相手に玄室の扉を死守できるという。開けた場所で戦い、足を止めず、あの振り下ろしが落ちる場所に決して立つな。
スケルトンナイト
凍てつく荒野や沼地を夜歩くアンデッド。 闇が落ちたのち、錆びた鎖帷子と骨の棍棒が永久凍土や湿地の泥から這い出る。誓いの記憶も失い降伏も知らず、感知した生者の呼吸へ向かって乱れぬ歩調で進軍する。肋骨が砕け関節が軋もうとも、痛みや保身の感覚を持たぬため、その盾の扱いは精密なままである。凍土や湿地の生存者たちは、骨が粉々に砕かれるまで追撃をやめぬこのスケルトンナイトの存在を知り、夜間の徘徊を避けている。
テンタクルクローラー
湿地や森を徘徊する、理性を欠いた夜の忍び足。 最も深い闇の刻、ぬめり気のある触手でツンドラや湿原を這い進む。盲目的な執念であらゆる生き物の動きを追い、腕の低い薙ぎ払いと噛みつく顎で肉を食い破る。四肢を失い深手を負おうとも、退却せず恐れも見せない。ヴェルド神権国の狩人は、クローラーが完全に切り刻まれるまで臭いを追い続けると知っているため、夕暮れ後に森へ立ち入るのを避ける。
アンデッド
凍てつく荒野や沼地を彷徨う、甲冑を纏った抜け殻。 日没後、錆びたメイスと傷だらけの盾を携えた執念深き姿が、ツンドラの永久凍土や湿原の泥濘から現れる。恐れを知らず道理も持たず、骨が砕けるか陽が昇るまで、息づくあらゆる生命を執拗な連撃で追撃する。どれほど傷を負おうとも退かないため、これに遭遇した者は死骸を完全に粉砕するか、夜が訪れる前に湿地から逃げ出すしかない。
ヴォルクレート
廃墟の天守に縛られし、甲冑を纏う有翼の巨鳥人形。 鋼の刃を仕込んだ羽毛と鉄の装甲で組み上げられた戦士。放棄された砦の瓦礫から斧を構えた姿で現れ、生ある気配を探し出して切りかかる。痛みも欠損もその前進を鈍らせることはなく、機体が砕け始めようとも頭上からの断ち割りをやめない。退却も保身も知らぬため、黒粘板岩の道沿いの国境警備隊は、人里への侵入を防ぐべく見つけ次第その場で破壊している。
ワーム
崩落した地下室を這い回る、無心の貪食者。 息づくあらゆるものを求め、蒼白い肉体で石畳を這い進む。自衛の本能など持ち合わせておらず、深手を負わされても逃げるどころか凶暴さを増す。靴に噛みつき、躊躇なく跳びかかって剥き出しの肉に牙を突き立てる。狩人たちは、暗闇に残された体液の跡でその存在を察知する。集落の基礎が崩れた際、生き残った家族が穀物庫を高台へ移すのは、この飽くなき喰らい手を避けるためである。